稲盛和夫さんの講話
以下は、京セラ創業者:稲盛和夫さんが、母校:鹿児島玉龍高校でした講話の一部です。
『人間の「思い」というのは、素晴らしい力を発揮するものです。
第二電電(現在の「au」)の創設、日本航空(JAL)の再建も、最初から達成するための考えやアイディアがあったわけでは全くありません。いずれも最初は空想みたいな「思い」から始まていったものです。
その「思い」を明確にし、繰り返し、繰り返し思い続けることで、空想みたいな「思い」が、想像を遥かに超えた素晴らしい未来をもたらしてくれるのです。
「思い」というのは、それほど凄いパワーを持っているのです。
ですから「こんなこと思っても高望みではないか」とか、「どうせ実現しないだろう」などと決して思ってはいけません。
実現したいことを鮮明にし、思い続ければ、それは必ず実現されるものと信じることです。
それが「世のため、人のために尽くす」、純粋で美しい「思い」であれば、自分の能力を超えて周囲の人々、さらには自然の力も得て実現する可能性も高まっていきます。
ただ、すぐに実現するわけではありません。やはり時間がかかります。
私は今82歳になりますが、社会に出てから、これまで60年以上も「こうしたい」、「こういう人間いなりたい」という「思い」を強く持ってやってきました。
その結果、いまは素晴らしい人生を全うできたと思っています。』
「なりたい自分」を思い描いていますか?
さて、あなたは、この講話を、どう思いますか?
稲盛さんの講話では、
『「思い」というのは、それほど凄いパワーを持っているのです。…』
『実現したいことを鮮明にし、思い続ければ、それは必ず実現されるものと信じることです。』とあります。
「思い」が現実化する、あなたは、どう思いますか? 信じられますか?
このことについて、中村天風さんは「人は、その人自身が思った通りの人生を生きる」と言いました。成功プログラムSMIの製作者ポールJマイヤーも「心に描いた夢は、必ず実現する」と。ナポレオンヒルは「思いは現実化する」と。更に約2500年前にお釈迦様は「アラヤ識(最下層の潜在意識)に浸透したイメージは、現象化(現実化)する」と言いました。
私は、これを信じて「行じて」きました。というか、私がこのことを知る前に「思い」が現実化し、その過程が正にこの通りだった。それが私が「行じる」ようになった理由です。そして「思い」の現実化を行じた方が楽しいから。実際に、私の「思い」はいくつも実現しました。
あなたは、なりたい自分、なりたい人生を、思い描いていますか?
自分の「思い」を明確にしていますか?
その「思い」を明確にし、繰り返し、繰り返し思い続けてみて下さい。時間はかかりますが、きっと実現します。すると稲盛さんが言う通り『想像を遥かに超えた素晴らしい未来』がもたらされます。
3つの注意点
ここで気を付けて欲しいことが3点あります。
一つは、「思い」を明確にすること。簡単なようでこれがなかなか難しい。多くの人がこれができない。だから「思い」が実現しない。対策としては、紙に書いてみること。頭の中だけで考えていると、漠然としたままになります。つまり「思い」を明確にできない。一方、紙に書くためには「思い」を明確にしないと書けない。だから「思い」を紙に書いてみる。一度、試してみて下さい。
二つ目は、「思い」をコロコロ変えたりしないこと。勿論、人間は成長と共に求めるもの、即ち「思い」が変化します。なので、ずっと一つの思い、という訳にはいかないでしょう。しかし、毎日、毎日、思いが変わっていては、その思いはアラヤ識に浸透しません。アラヤ識へのインプットは、繰り返し、飽くなき反復が効果的です。「思い」を明確にできたら、手帳などに記載し、機会ある毎に読んでみると良いでしょう。私は、手帳に記載し、毎朝、自己朝礼と称して、読み上げています。
三つ目は、純粋で美しい「思い」です。その「思い」が実現したら、多くの人達が幸せになる、そんな思いほど叶い易いようです。これはお釈迦様の説かれた八正道の「正念」に通じます。ただ精神性が低いときは、そういった思いを抱くことは難しいです(過去の私もそうでした)。しかし我々は未熟な状態から成長していくので、はじめは自己利益の「思い」しか抱けないと思います。はじめの内はそれで構いません。精神の向上とともに「思い」も昇華していきます。なので、安心して下さい。ただ、自己利益の「思い」だとしても、人の迷惑になるような「思い」は却って自分を不幸にしてしまうので、避けて下さい。自己利益の「思い」でも人に迷惑をかけないものであれば、まずはOKです。年収〇千万円。会社規模〇〇。・・・そこからスタートすれば良いでしょう。
お金のかかることではないので、是非、試してみて下さい。
2025年1月23日