因果応報の法則(思念はカルマをつくる)(その2)

 本日の学びは、因果応報の法則、その2、「思念」です。
 前回は、因果応報の法則、これを別名、原因結果の法則、作用反作用の法則といいますが、これについて話しました。
 どういうものかというと、善因は善果を生み、悪因は悪果を生む、という法則です。つまり、善いことをすれば、善いことが返ってきて、悪しきことをすれば悪しきことが返ってくる、という法則です。

 今日は、それをちょっと進めた話です。
 実は、この因果応報の法則は「行ったこと」とか、「語ったこと」だけじゃなくて、「思った」だけで、その因をつくっちゃうんです。

 皆さん、これ、知ってましたか?
 思っただけで、因(原因)ができちゃうなんて知らなかったですよね。
 これをレジメに書きましたが、高橋信次先生とか、京セラ創業者の稲盛和夫さんとかが、本当によく言ってるんです。
 稲盛さんは、「思っただけだったらいいじゃないかって、簡単に考える人が結構いますが、そんな軽いことじゃないんです。」って言っています。

 結局の所、因というのは何かというと、「行ったこと」、「語ったこと」、そして「思ったこと」つまり「考えたこと」を言うんですね。
 これらが因になるわけです。この「思ったこと」、「考えたこと」が「思念」というわけです。稲盛さんは、これについて、「思念はカルマ(業)をつくる」と言っています。仏教の言葉です。

 実は稲盛さんは、「思うこと」を「行うこと」と同じレベルで重要視しています。稲盛さんの本を読んだり、講演CDを聞くと分かると思いますが、必ず言ってるのは、「善きことを思い、善きことを実行すれば、善い結果が生まれる」です。つまり、まず「善きことを思い」ってのを必ず言ってるんです。
 それから「悪しきことを思い、悪しきことを実行すれば、悪しき結果に見舞われる。」つまり「悪しことを思い」とも言ってるんです。
 このことを、つまり「思念はカルマをつくる」というのが分からないと、稲盛さんの本を読んでも、何言っているのか分からないと思います。

 この「思念はカルマをつくる」、これを知ってるか知らないかが、実は人生に非常に大きな影響を与えるんです。
 例えば、接客業とかしてる方は、時に理不尽な対応をされたりすることはありませんか。ちゃんと対応しているのに、お客さんから「何だ、その態度は」とか、「声が小さいじゃないか」とか、もう全然自分は悪くないのに、「すみません」って謝って、その場を収めて「ありがとうございました」って、やるじゃないですか。そのときに、この「思念がカルマをつくる」っていうのを知らないと、お客さんが帰っていく時に、「ありがとうございます」って言いながら、心の中のことは誰にも分かんないよねってことで、心の中で、そのお客さんを八つ裂きにしたり、ぶっ殺したりとか、やっちゃいませんか?
 こういったことをやらなきゃいいんですけど、もしやっちゃうと、悪いカルマをつくっちゃうんです。何が言いたいかというと、そんなことをすると、人生、勿体ないじゃないですか。カルマは必ず結果を出すので、返ってきます。つまり人生に悪影響を及ぼす。すごく勿体ないですよね。
 だから、この思念はカルマをつくるっていうのを、今日はちょっとインプットして欲しいなと思います。

 私は、このことを、20年位前に高橋信次先生の本を読み漁っていたときに知りました。そのときは、ちょっとボワーンとしてたんですけど、やっぱり稲盛さんが至る所で言っていて、それで確信した次第です。それで私は今、悪しき思念をつくらないように、悪しきことを思わないようにトレーニングしています。
 私は接客所じゃないんですけど、でもやっぱりいろいろ嫌なことあるじゃないですか。そういうときはどうするかっていうと、終わった後に「なんだくそ」とか、それぐらいをやるんです。「ふざけんなよ」とかって。でもその方が良いじゃないですか。心の中で相手を八つ裂きにするよりも、まだセーフじゃないですか。
 だから、溜めちゃうんじゃなくて、パッとそういう解放するようなことを考えてもいいのかなと思います。例えば、カラオケに行ってガンガン歌って、嫌なことを無しにするとか、「ちょっとすいません。トイレに行ってきます。」って言って、トイレで、こうやって口を押さえて「バカ野郎」って叫ぶとか、まだその方が良いかなと思います。

 こういうことを知ってないと、ノーヘルでバイクに乗るみたいなもので、もし転んだときに大事故を起こすじゃないですか。だけど、こういったことを知っていれば、ヘルメットを被ってバイクに乗るじゃないですか。それに転びそうになったらスピードを落とすじゃないですか。それが大事なんです。
 我々は人生で転ばなきゃいいんですけど、必ず転びます。転ばないような人だったらこの世に生まれて来ないし、この世で勉強する必要はないんです。学びの途中の我々は必ず転びます。だから、ヘルメットを被る。こういうことを知った上で生きていくっていうのが非常に大事じゃないかな、と思います。

 ということで、思ったこともカルマをつくってしまうので、これを知ったら今日からは悪しきことは思わず、善きことを思って生きていきましょう。
 そして、思ったことがカルマをつくるってことは、逆もしかりで、善いことを思えば善いカルマができます。つまり、善いカルマ、ダルマができるんです。これを重ねれば、ダルマ積みができるんです。ですので是非とも、善いことを思ってもらったら良いかなと思います。

2025年5月29日

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